ネットにまとわりつくベンチャー企業にいると、人の出入りが激しい。で、もう一方の足を労働市場に突っ込んでそこからお金を頂戴している身なので、R30氏のエントリを見てちょっといろいろ考えてしまう。
[R30]: ガ島さんと転職のこと
先日、中途の同期が辞めることになった。中途入社の多い会社なので、同期(同月の入社)が10人以上いる。まだ半年ちょいなのだが、彼が最初の退職者。正直、早いし中途半端な感が強い。詳しい経歴は知らないけれど、26歳で次が少なくとも3社目になる。まあ、本人は嬉しそうだったので別に良いのだけれど、何となく同じことをまた数年以内に繰り返しそうな気がしなくもない。彼に限らず、まだ残っている方々も不満たらたらなのが多いのだけれど、どう考えても入社前の情報収集不足だろ、と言うレベルが多くてがっくりする。もちろん入ってみないとわからないことはたくさんあるけれど、それ以前の所で躓いている。ありえない。ちょっと調べたり聞き込めばわかるじゃん、そんなこと。雇われの心構えというか意識として、それはないだろ、と。その段階で躓いてしまうと、会社へのロイヤリティも低いし周囲への影響もあるので、さっさと辞めてくれて良かった、というのが残った者の正直な感想、と言うとちょっと冷たいか。ま、次は長く頑張って欲しいけれど。
中途であっても会社へのロイヤリティが低い社員というのは、僕としてはあまり歓迎できない。組織としての力を削ぐものになるので、はっきり言って邪魔以外の何者でもない。が、しかし、企業の文化やり風土を体現する、そこにどっぷり浸かった「らしい」社員というのは、切込隊長のエントリにあるように、一部の例外を除けば労働市場での価値は低い。それはその通りだと思う。一番最たるものは、その会社の「らしさ」を体現している、あるいは体現させようとしている意欲ある働き手は、その会社の「らしさ」をほかの会社に持ち込んだとしても必ずしも活かされないことにあります。雇う以上、誇りを持って働いて欲しいと思っている、その誇りの根拠となる部分に従事している従業員ほど、その会社以外のところで自分のなにがしかを活かそうとしても無理だということ。
「誇り」や「らしさ」を持って頑張ってきても、残念ながらそれに継続して応えていける企業というのも少ない。R30氏のエントリ&コメント欄にあるように企業の寿命が短くなっているという、ことも大きいかもしれない。「らしさ」が強すぎるために、企業としての変革期に邪魔になってしまうということもある。可哀想だけど。
誇りを持ちつつも、どこかで常に労働市場とにらめっこしてないと、いけないのかなあ。そんな冷静にいられるだろうか。なかなかに難しい気はする。
話は変わるけど、僕が昔勤めていた会社の元同僚がいるのだが、彼は会社に留まる決断を、やはり最近した。傾きかけてるベンチャーなので、僕や仲間はネズミの如くに次々と逃げ出した。僕はかなりしんがりに近い、と思っている。そんなしんがりが去った後にまだ残っていた彼にも転職話があって、一時はかなりノリ気だったらしい。が、心変わりをしてしまった。人づての話ではあるが、いままでより良いポジションを用意され待遇も良くなり、元々責任感の強いヤツではあるので、そういう結論を出したらしい。転職話を持って行ったのが僕の友人だったのだが(人材業界に身を置くのでよくある話です)、ちょっと怒っていた。まあ、内諾しておいてドタキャンしたのだから、怒るのもよくわかる。でも怒る以上に、友人と二人で呆れてしまった。いくら待遇が良くなったからって、あそこに残るというのは・・・いかがなものか、と。企業の成長という面では完全に先が見えないし、間違いなく10年、20年レベルで持つ会社じゃない。更に言うと、労働市場で歓迎されるスキルを身につけられる仕事や会社じゃないことが痛い。例えば5年後に転職をと思っても、残念ながら彼は35歳を超えるために労働市場で大きな壁にぶつかることになる。転職するなら、いまが最後のチャンスなのではないか、と何度か友人と話をした。優柔不断な性格と「義理」が仇になってしまった感が強い。非常に残念に思いつつも、これ以上は面倒が見きれんということで、まあ受け流している。
普段、仕事では転職意欲を無駄に煽ることに精を出している訳だけれど、会社を選ぶというのは結構難しいことなのだ。どうせなら良い出会いをして長く付き合えればそれが良いのだけれど、そんな会社は少なくなっている。ネット関連の業界は多少特殊なので、2、3年置きにグルグルと同業を回って、どこかでIPOか何かぶつかれば、みたいな奴も多いけれど、そんな良い時代も終わろうとしているし。まとまらない話になってしまったけれど、雇われの身でいるのも、なかなかに大変な時代になっている訳です。僕自身も、自分のスキルが通用する業界というのは結構狭いことを時々感じてしまう。業界そのものが傾いた時に、どうやって食っていこうかと考えないこともない。
R30氏のエントリで軍隊になぞらえた例が出ていたけれど、昔そういうテストを受けたことがあります。アメリカ産の性格診断みたいなやつ。僕はどっちかというと守備要員でした。ある程度戦線が安定した状態で、より効率的に守り被害は最小限に抑えてできるだけ長持ちさせる、と。どっちかというと攻撃部隊の方がカッコ良いなあと思ったのだけれど、よくよく考えてみればわからなくもないな。となると、今の仕事は違うんだよなあ・・・(苦笑)