先日も触れた輸入権に関するシンポジウムへ行ってきました。
パネラーの方などは下記から。
owner's log(発起人の高橋健太郎氏のサイト)

会場は超満員で、やはり入れない方もいた模様です。
今回の輸入盤規制の問題についてはこちらやこちらにまとまっていることにはいる。だけど、やっぱりいろんな情報が錯綜していて、なかなか全体が掴めなかったりしていました。それだけに、今回はレコード業界の流通事情など、かなり突っ込んだ話が聞けたので「実態を知るための」という名前に相応しい充実した内容だったと思います。
音楽配信メモさんでは、今回の模様を音声、動画でUPする予定のようです。是非チェックを。
以下、自分用のまとめ&感想。
まず、1番の疑問だったのが、当初「邦楽の還流CDへの対策」だったのものが、いつの間にか「洋楽の輸入盤」にまで適用が広がり、すると「メジャーは適用しないと聞いています」と文化庁に煙に巻かれそうになったところへ「並行輸入は良くない!」というRIAAのパブリックコメントが出てきて、本当のところはどうなの?
という点。
これについては、民主党ホームエンタテイメント議員連盟設立総会(エンタメ議連)の川内博史議員がCDの流通枚数について興味深い数字を出して頂けました。
どちらにしても、狙いは影響が甚大とは思えない68万枚の還流CDでは無く、最初から6000万枚の輸入盤なのではないか?と。ちなみに6000万枚のうち4割はメジャーレーベル日本支社が自ら輸入しているものとのことです。
で、うやむやだったり、世間的な認知度が低い(あるレコード会社の重役でさえ知らなかったらしい・・・)のは、わざとそうやって「こっそり」と通そうとしているから、だそうな。それも極少数の方々が。
更に、7月からの日米租税条約も併せて考えると、このタイミングで、こんなに急いで法制化しているのは、ちょっと臭いんじゃない?という妄想もしたくなる、なんて意見もありました。
この日米租税条約は、日本にある外資(US)系企業で、US企業の資本比率が過半数(50%を)を越えていれば、税金は日本では徴収されない。というモノ。メジャーレーベルの日本法人は殆どこれに当てはまり、つまりは、いくら日本国内で国内盤のCDを売っても(僕達が買っても)その売上による税金は日本に入らないということ。
あと、並行輸入は勘弁してね、というのは現状でも契約レベルでは行われており(特に小さなレーベル)、ライセンスの仕方や企業努力で、完全では無いが、ある程度のコントロールはできる。そもそも法律にすることは無いのでは?という意見もありました。
これもやはり、なぜこんな大がかりに法で?しかも急いで?と、疑問が沸いてきます。
実際に現行のままで法が成立した場合、運用が税関に委ねられる。そうなるとタイトル単位での細かな管理など出来るわけがない。結果、運用しやすい大雑把な括りになるだろうとか、あるいは個人輸入に関しても、エロ系雑誌・本がそうらしいのだけど、個人目的かどうかの判断は出来ない。だから全部NGにしちゃえ、という話も通せば通るらしい。
もちろん最悪のケースだけど。
当然、メジャーレーベルはそこまでバカじゃない(市場は潰さない)だろ?という質問もあったが、実際に想定できるケースとしては、メジャーにとっての利益が最大になるように、自由に流通させるCDの種類を変えてくる、ということになるんじゃないかと。タイトル単位で、好きなように彼等が適用してくる。そういう権利を与えることになる。
メジャーレーベルについては、巨大な多国籍企業の思惑というのが、内部事情など(ここに書いてないことも沢山)を今回初めて聞くことができたお陰で、ちょっと垣間見ることができました。全然違うところで何か大きなモノが動いているようで気味が悪い。とはいえ、彼等の思惑は無視できないけど。
今回よく話に出たのが、再販価格維持制度の問題。こんな特例措置で保護されているにも関わらず更に輸入権で保護するなんて、世界的に見てもそんな国、制度はあり得ないと非難がやはり多かったです。どちらか一つにしろ、と。個人的には、輸入権か再販価格維持かの二者択一は、ちょっと辛いな、とも思った。
肝心の「今後」ですが、民主党の川内議員は、今度(衆議院)はそんなに簡単に通させないと息巻いていました。これはこれで期待はします。が、それだけに頼ってばかりもいられない。
難しいなと感じるのは、この問題をどうやって広く速やかに伝えていくのか?ということだろう。とにかく知らない人が多すぎる。なのにもう参議院を通過しちゃってる。
個人レベルでの活動は、今後もこれを機に増えると思う。そして今回のシンポジウムにはマスコミからの取材があったようだ。これで少しでも世間的な認知が広まり、議論されると、ちょっとは風向きも変わるかもしれない。