浮世の夢
エレカシの3rdアルバム。何で唐突にこのアルバムを思い出したのかというと、春だから。僕の中では春や桜という景色から何となくこのアルバムを思い出す。おそらくは「夢のちまた」であったり「上野の山」あたりの歌詞のせいだろう。
エピックソニー時代のエレカシの中では、「生活」、「東京の空」に次いでよく聞くアルバム。
江戸あるいは昔の東京が好きで散歩が好き。文学青年、書生気取りな宮本ワールド一色。ものすごく趣味的なアルバム。このアルバムから歌詞カードなどもすべて縦書きになる。
エレカシの魅力は、直球で叩きつけた時に一番輝くと思う。「ガストロンジャー」がそうだし1stの「ファイティングマン」、「デーデ」もそうだ。それとは違う。自我の局地ともいえる「生活」とも違う。宮本が好きな世界。ある種箱庭的狭い世界の中に浸っている、そんな印象のアルバムだ。
でも、曲は良い。アルバムとしての出来も、良いと思う。本来メロディーメーカーとして優れているので、独特の宮本の世界ではあるけれど、聞き心地が良い。夢のちまたの歌詞ではないが、春の穏やかな日にぼんやりと一人部屋の中で聞くのが良いと思う。
一番の聴き所は、やっぱり「珍奇男」。