「赤めだか」と「雨ン中の、らくだ」

読みました。「赤めだか」は先月に、「雨ン中の、らくだ」は昨夜読了。
どちらも、著者の個性が良く出た、面白い本だったと思います。

赤めだか
立川 談春
4594056156
「赤めだか」。本屋じゃ平積みになっているし10万部を超えたとかって話も聞きます。何回も書店で手にとっては見ていたのですが、売れ筋なものに拒否感が出る体質なのかどうなのか、買うまでに結構時間がかかりました……。
結果としては、買って正解。非常に面白くて読みやすいエッセイ。落語とかあんまり関係なく(と言ったら怒られそうだけど)、これは青春なのだなと、思う。このままドラマ化したくなるくらい、爽やかだし、笑えるし、良いストーリー。落語家としての談春よりも、青年談春が前面に出ている感じ。だからといって落語好きに物足りないわけでもなく、談志との師弟のエピソードはやっぱり興味深いし引き込まれる。談志の台詞はなにかと名台詞というか、いかにも談志節。「師匠なんてものは、褒めてやるくらいしか弟子にしてやれることはないのかもしれない」という台詞とか、談春に「嫉妬とは何か」を語るところとか、ああこれは談志だなと思う。実際にここに描かれているような生活は無理だけど、この師弟関係はやっぱり羨ましくなる。

雨ン中の、らくだ
立川志らく
4778311558
こちらは志らくの「雨ン中の、らくだ」。談春とはライバルであろうし、これから先もずっと比較されているであろう二人。で、よくこんなタイミングで似たような本を出すもんだなと、正直そう思いました。「裏赤めだか」とか「青めだか」とか本人も言ってるくらいではあるけれど、こっちはもう落語家としての志らくがこれでもかってくらいに前に出てくる。高座さながらの、ちょっとつんのめり感のある文章は、読み手を選ぶ気もするけれど、温度の高さは嫌でも伝わりそう。談志への愛はほとんど信仰に近いんじゃないかってくらい。あと、談春への愛もすごい。タイトルの「らくだ」を始め、談志のネタの思い出と、入門してから今日まで思い出がうまく相まって、それだけに落語的リテラシーが求められるけれど、こうやって志らくが出来上がったんだなというのが、よくわかる一冊。
ちょっと読みにくいと思う人もいるだろうし、粋がってるように思ったりするかもしれない。でも、この本は熱い。無駄に熱量が多い。気負いとかそういうものまで全部詰め込んだ感があって、その辺りが、何となく志らくっぽい。

同じ門下で同じ時期に修行をしていた2人なので、2冊で当然同じエピソードも幾つか出てくる。特に「雨ン中の、らくだ」では「『赤めだか』ではあんな風に書いてありましたが、」てな具合に、志らくの視点で同じエピソードを語ったりしていて、これはこれで面白い。「赤めだか」を読んで談春や談志に興味を持った人なら、「雨ン中の、らくだ」も読んでいいんじゃないかなと思います。

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